2019 11/19 UP
◆ 11月 やすらぎ園 法話会 ◆
やすらぎ園法話会
2019年11月11日
今月は猪原慶成さんに出向していただきました。
私たちの生活において身近な≪ろうそく≫について。いのちをろうそくに例えられることがあるが、短くなるまで燃え続けているとも限らない厳しい現実の話。また「ろうそくは、わが身を減らし、ひと照 らす」…そう生きたいと思いながら、なかなかそのように生きていくことができない私の話。 その私を決して見捨てることなく、己の無力さ、愚かさに気付かせ、間違いのないいのちの世界へと照 らし、あたたかく導いてくださる阿弥陀様のはたらきのお話。 昔ご自身が、世界遺産であるトルコはカッパドキアに旅をされた際の体験を元にお話しくださいました。
現地にて、夕方ご友人と散歩をしていると突然の雷雨。洞窟で雨宿りをしていても雨は一向にやまず、 やんだときはすでに夜。街灯も道路もなく、携帯電話も持っておらず、真っ暗で物音ひとつ聞こえない。 気温は2、3度で、身の危険を感じ寒さと恐怖で震えていたとき、荷物をゴソゴソ探ると…なんとライターが!
そのときつけた火の灯りが今でも忘れられないそうです。 なんとか雨に濡れていない枯れ葉を集め、火をつけ暖をとると、少しずつあたたかくなると同時にまわ りがぼんやりと見えてきます。「なんとか帰ろう」という気が湧いてきたとき、遠くの方に車のヘッドライトがちらほらと。少しずつ少しずつその灯りが見える方に歩を進め、なんとか宿まで帰ることができ たそうです。
(ちなみに、ほっと一安心…と浴びたシャワーが水しか出なかったそうです…笑)
そんな実体験の話にみなさま興味津々。
人の命は一本のロウソクに火をつけたようなものである
燃えながら照らしながら刻々刻々と減ってゆく
減っていく命を減らさぬようにすることは誰にもできない
ただその灯りでどこをどのように照らしてゆくか
これが人間に与えられたたった一つの自由である
と、ある老僧の方の言葉も引かれながらお話しいただき、終始あたたかい空気に包まれていました。